■はじめに
皆さんこんにちは!岡崎市を拠点に基礎工事を行っています、株式会社OTKです。
基礎工事は、家やビルの建設において非常に重要な工程です。しかし、初心者にとってはその種類や特徴が難しく感じるかもしれません。この記事では、基礎工事の基本的な種類をわかりやすく解説し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。これから基礎工事の職人を目指している人は参考にしてみてください。
■基礎工事とは
基礎工事は、建物の土台を作るための重要な工程です。建物の安定性や耐久性を支える役割を担っており、基礎工事がしっかりと行われていないと、建物全体の品質や安全性に大きな影響を及ぼす可能性があります。では、基礎工事とは具体的にどのような作業を含むのでしょうか?
・基礎工事の役割
基礎工事の主な役割は、建物の重量を地面に均等に分散させることです。建物が立っている場所の地盤の状態は、地震や風圧、降水などの自然条件に対する耐性に直結します。基礎工事では、地盤の調査や掘削、基礎の設置などを行い、建物を支えるための「土台」を作ります。これにより、建物の沈下や傾き、ひび割れなどの問題を防ぐことができます。
・基礎工事の主な工程
基礎工事にはいくつかの主要な工程があります。まずは地盤調査から始まります。これは、地面の硬さや地層の状態を確認し、どの種類の基礎工事が適しているかを判断するための重要なステップです。次に基礎の設計が行われます。設計では、建物の重量や地盤の状態を考慮して、最適な基礎の種類や構造が決定されます。
その後、基礎の掘削が行われ、基礎を支えるための基盤が作られます。掘削後には、基礎の施工が行われ、コンクリートや鉄筋を使って実際の基礎を作り上げます。最後に基礎の検査が行われ、基礎が設計通りに施工されているか、品質が確保されているかを確認します。
・基礎工事の重要性
基礎工事は建物の根幹を支えるため、手を抜くことはできません。基礎工事が適切に行われていないと、建物の構造が不安定になり、将来的に大きな問題を引き起こす可能性があります。例えば、地盤沈下やひび割れが発生すると、修繕には多くの費用と時間がかかります。したがって、基礎工事は建物の安全性を確保するために欠かせない重要な工程です。
■基礎工事の種類について
基礎工事の種類は主に4種類に分ける事ができます。
・ベタ基礎
ベタ基礎とは、建物の底全体に鉄筋コンクリートを敷き詰めて作る基礎工法の一種です。建物全体を底面で支えるため、耐震性や不同沈下(地盤が弱いところ)に強いのが特徴で、多くの住宅で採用されています。特に地震の揺れを均等に分散できるため、建物の安定性が向上します。加えて、防湿性にも優れており、地面からの湿気を防ぐことで建物内部の劣化を防ぐ効果があります。また一度に施行を行うため、施工精度が高く、基礎の均一性が保たれます。一方で、べた基礎は施工の手間とコストがかかることがデメリットとして挙げられます。一度に使うコンクリートの量が多いため物価高も相まり費用が高騰しています。また、乾燥に費やす期間もあるため、工期も比較的長くなる傾向にあります。また広い面積を掘削する必要もあるため手間がかかる事も挙げられます。
しかし、長期的な視点で見れば、その耐久性や安全性からコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。適切な基礎工事を選択することが、建物の寿命や安全性に直結するため、ベタ基礎のメリットを理解し、有効に活用することが大切です。
【ベタ基礎のメリット】
・地盤が弱い箇所でも採用できる
・耐震性に優れている
・施工の精度が保たれる
【ベタ基礎のデメリット】
・施工費用が高い
・工期がながい
・地面の掘削が多い
・布基礎
布基礎(ぬのきそ)は、建物の土台を支えるための基礎工事の方法の一つで、主に住宅などで広く使われています。布基礎は、建物の外周と内部に沿って基礎部分を連続的に設置し、地面に均等に荷重を分散させる構造です。具体的には、基礎の下に幅広のコンクリートの布のような部分を作り、その上に建物の柱や壁を設置します。布基礎のメリットとしては、コストが比較的安価である点や、施工が簡単で工期が短い点が挙げられます。また、ベタ基礎と比べて使用するコンクリートの量が少ないため、材料費の節約にもつながります。しかし、地盤の強度が十分でない場所や、重たい建物には適さず、適切な地盤調査と補強が必要です。地盤の強度が十分でない場所で布基礎を採用する際には地盤改良が必要となるため余計に経費がかかるようになるので注意が必要です。
布基礎は、地盤の状態や建物の構造に応じた適切な選択をすることで、安全で耐久性のある建物を実現するための重要な工法です。初心者でもポイントを押さえれば、そのメリットを有効に活用することができます。
【布基礎のメリット】
・コストパフォーマンスが高い
・施行も簡単で短い
・木造住宅、中層の建物に適してる:振動も少なく騒音を抑えれる
【布基礎のデメリット】
・地盤の強度が十分でないところには施工できない
・杭基礎
杭基礎(くいきそ)とは、地盤が弱い場所や軟弱地盤において、建物の荷重を安定して支えるために用いられる基礎工法です。建物の重量を地中深くに設置した杭(くい)を介して、支持層に伝えることで、建物の安定性を確保します。杭基礎は高層ビルや大規模な建築物、小規模な住宅でも地盤が不安定な場所では採用されることがあります。杭基礎のメリットの一つは、軟弱地盤でも建物の安定性を確保できる点です。杭が支持層まで到達することで、建物の重さをしっかりと支えることができます。これにより、不同沈下や地震時の揺れに対する耐性が高まり、安全性が向上します。また、杭基礎は様々な地盤条件に対応できるため、多様な地質条件でも安定した施工が可能です。
杭の種類として「支持杭」、「摩擦杭」の2種類あります。
支持杭(しじくい)
名前の通り、杭を通じて建物の荷重を直接支持層に伝える役割を果たします。支持杭は、地盤の深いところにある安定した支持層まで杭を到達させるため、非常に高い支持力を発揮します。これにより、建物全体の安定性が大幅に向上します。支持杭は特に、高層ビルや重工業施設など、大きな荷重がかかる建物に適しています。しかし、支持杭工法には高いコストが伴います。深い支持層まで杭を打ち込むため、施工には高度な技術と時間が必要となり、その結果、工事費用が増大する傾向にあります。
摩擦杭(まさつくい)
杭と周囲の土との摩擦力によって荷重を支える工法です。摩擦杭は支持層が深い場合でも使用できるため、地盤条件が多様な場所でも適用可能です。摩擦杭の利点は、杭全体が荷重を分散して支えるため、比較的浅い地盤でも使用できる点にあります。これにより、杭の長さを短縮できるため、工事コストを抑えることができます。しかし、摩擦杭はその名の通り摩擦力に頼るため、地盤の性質によっては十分な支持力を得られない場合があります。そのため、施工前には地盤調査を徹底し、摩擦杭が適用可能かどうかを慎重に判断する必要があります。
杭基礎工事において、支持杭と摩擦杭のどちらを選択するかは、地盤の状態や建物の構造、荷重条件などに大きく依存します。支持杭は高い支持力を発揮する一方で、工事費用が高くなる傾向にあります。摩擦杭は比較的コストを抑えることができますが、地盤の状態によっては支持力に不安が残る場合もあります。
総じて、杭基礎工事はその高い支持力と適用範囲の広さから、多くの建築プロジェクトで採用されていますが、プロジェクトごとに最適な杭基礎工法を選定することが成功の鍵となります。地盤調査を十分に行い、支持杭と摩擦杭の特性を理解した上で、最適な工法を選択することが重要です。
【メリット】
・広い適用性:軟弱な地面から水辺まで幅広く適用できる
・安定力
【デメリット】
・費用がかかる
・杭打ちは時間がかかるので工期が長い
・独立基礎工事
独立基礎工事は、建物の各柱や構造体の下に独立して基礎を設ける工法です。この工法は、主に比較的小規模な建物や荷重の少ない建築物に使用されます。独立基礎は、単独で設置されるため、地盤の状態や建物の配置に応じて柔軟に対応できる点が特徴です。
独立基礎のメリットとしては、まず工事が比較的簡単であることが挙げられます。各基礎が独立しているため、施工が容易であり、工事期間も短縮されます。また、コスト面でも優れており、大規模な基礎工事が不要なため、経済的です。このため、住宅や小規模な商業施設など、比較的軽量な建物に適しています。
さらに、独立基礎は地盤の影響を受けにくいという利点もあります。各基礎が独立しているため、地盤の不均一性や沈下に対する耐性が高く、地盤の変動による影響を最小限に抑えることができます。これにより、建物の長期的な安定性が確保されます。
しかし、独立基礎にもデメリットがあります。一つは、重い建物や高層建築には適していないことです。独立基礎はあくまで軽量な建物に向いているため、大規模な荷重を支えることが難しいです。そのため、重量のある建物や高層建築には他の基礎工法が必要となります。
また、地震などの揺れに対しては弱い側面があります。独立基礎は各基礎が独立しているため、全体の一体性が低く、揺れによる影響を受けやすいです。特に地震が多い地域では、基礎全体の強度を高めるために、補強工事が必要となる場合があります。
独立基礎工事は、そのシンプルさと経済性から、多くの住宅や小規模建築で採用されています。しかし、建物の荷重や地盤の状態を十分に考慮し、適切な基礎工法を選ぶことが重要です。地震対策や建物の長期的な安定性を確保するためには、専門家のアドバイスを受けることが不可欠です。
【メリット】
・コストパフォーマンスが高い
【デメリット】
・耐震性や耐久性が劣る
・不同沈下(部分的に沈下すること)のリスクがある
■まとめ
基礎工事の種類とそれぞれのメリット・デメリットについて解説してきましたが、最後にまとめとして、どのようなポイントに注意して基礎工事を選択すべきかをお伝えします。
基礎工事は、建物の安定性や耐久性に大きく関わる重要な工程です。直接基礎、杭基礎、べた基礎など、それぞれの工法には適した地盤条件や建物の構造があります。例えば、直接基礎は比較的コストが低く、施工も簡単ですが、支持力に限界があります。一方、杭基礎は支持力が高く、地盤が軟弱な場合でも安定した建物を建てられますが、工事費用が高くなります。
どの工法を選ぶかは、地盤調査の結果や建物の用途、予算などを総合的に考慮することが重要です。基礎工事のプロと相談し、最適な基礎工法を選定することで、安全で長持ちする建物を実現しましょう!また、これから基礎工事を目指している職人さんの参考になりますと幸いです。
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