コンクリートの塩害とは?原因と対策を基礎工事のプロが解説

「コンクリートは頑丈だから一生安心」と思っていませんか?

「塩害って、海の近くだけの話でしょ?」


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~今日のテーマは~

▲「コンクリートの塩害」


コンクリートは頑丈だから一生安心……そう思っていらっしゃいませんか?

実は、目に見えない「塩分」によって、コンクリートの中にある鉄筋がボロボロにさびてしまう現象があるのです。


海の近くだけの話だと思われがちな「塩害」。


でも、冬の道路にまかれる凍結防止剤や、建設時の中身が原因で、あなたの家の駐車場や基礎も悲鳴を上げているかもしれません。


今回は、塩害の正体から、自分でできる対策・プロに頼むタイミングまで、基礎工事のプロの視点でわかりやすく解説します!🔍



1. 塩害とは何か?その正体と私たちへの影響 📏


まずは「塩害」という現象を、シンプルに整理しておきましょう。


✅ 塩害の定義

塩害とは、コンクリートの中に「塩化物イオン」という塩分が入り込むことで、

中の鉄筋(鋼材)がさびてしまい、コンクリートがひび割れたり剥がれ落ちたりする現象です。


✅ 身近な場所とリスク

あなたの家の基礎、駐車場の土間コンクリート、擁壁、近所の橋など、実はあちこちにコンクリートは使われています。


鉄筋はコンクリートの「骨組み」。

その鉄筋がさびて細くなると、地震などの揺れに対する強さ(耐力)が急激に低下し、構造物の寿命が縮んでしまいます。


💡 豆知識 コンクリートを攻撃する「塩分の正体」が塩化物イオン。

鉄筋をさびから守る「透明なバリア」は不動態被膜といい、強アルカリ性で保たれています。鉄筋からコンクリート表面までの「肉厚」をかぶり(厚さ)といい、この厚さがバリアの寿命を決めるんです!📐




2. 原因・メカニズム~どこから・なぜ起こるか 🔬


塩害は「どこから」塩分が入るかで、大きく2つに分けられます。


✅ 外部要因(外来塩分)

潮風・海水飛沫:海沿いの地域で、風に乗って塩分が飛んできます。


凍結防止剤:冬に道路にまかれる塩化ナトリウムなどが、車に付着して駐車場に運ばれ、コンクリートに付くこともあります。


✅ 内部要因(内在塩分)

建設時に使われた「海砂」の洗浄不足や、塩分を含む混和剤などが、最初からコンクリートの中に含まれている場合です。


✅ メカニズムの要点

塩分はコンクリートの表面から少しずつ染み込んでいきます。

鉄筋まで届くと、鉄筋を守っていた「バリア(不動態被膜)」を壊してしまいます。


バリアが壊れた鉄筋に水と酸素が触れると、鉄筋がさびて太くなります(体積膨張)。

実は、さびた鉄筋は元の約2.5倍の体積に膨らむため、内側からコンクリートを押し破ってしまうんです。


💡 豆知識 通常、コンクリートはpH12〜13の強アルカリ性で鉄筋をさびから守っています。

でも塩分はその天敵!

まるで「内側からのパンク」のように、コンクリートを壊していくのです。

※地域や条件により数値・進行度は異なる場合があります。



3. よくある疑問・誤解 ❓


「海沿いじゃなければ大丈夫でしょ?」「ひびがないから安心」……そんな思い込み、実は危険かもしれません。


✅ 「海沿いじゃなければ大丈夫でしょ?」

山間部でも雪道の「凍結防止剤」が原因で深刻な塩害が発生することがあります。

北陸地方などの積雪地帯では、海沿いでなくても塩害リスクが非常に高いケースも。

また、古い建物では建設時の砂に塩分が含まれていることもあります。


✅ 「コンクリートにひびがないから安心だ」

塩分には目に見えない「潜伏期」があり、ひび割れが見えたときには、内部の鉄筋はすでにかなりさびが進行していることが多いです。


✅ 「表面を塗るだけで直るんでしょ?」

すでに中に塩分がある場合、表面を塗って閉じ込めると、中でさらに腐食が進む「再劣化」のリスクがあります。

DIYの表面補修は「浅いひびを埋めて水の侵入を防ぐ」程度であり、塩分が内部まで浸透した塩害そのものを完治させるものではありません。



4. 症状・サイン~こうなったら注意 ⚠️


見た目でわかる劣化の流れを、段階で整理します。


✅ 劣化の5段階(グレード)

潜伏期(変化なし):見た目はきれいだが、塩分が中に浸透している状態。


進展期(変化なし):鉄筋のバリアが壊れ、さびが始まる直前。


加速期前期(ひび割れ開始):鉄筋に沿って、コンクリートにひび割れが見え始める。


加速期後期(さび汁・浮き):ひびから茶褐色のさび汁(錆汁)が出てきたり、叩くと軽い音がする(コンクリートの浮き)。剥離・剥落の一歩手前です。


劣化期(剥がれ落ち):コンクリートが剥がれ、中の鉄筋が露出してボロボロになっている。


💰 結論 オレンジ色のシミ(さび汁)が見えたら、今すぐ専門業者へ相談するのがおすすめです。加速期に入ると修理代も高額になりがちなので、早めの点検が家を長持ちさせる秘訣です。



5. 対策・予防~自分でできること・プロに頼むこと 🛡️


日頃の心がけと、プロに任せるタイミングを押さえておきましょう。


✅ ご自身でできること

こまめな洗浄:海沿いや雪道を走った後の車を駐車場に入れたら、コンクリート面を水洗いして塩分を流すと効果的です。


初期のひび割れチェック:鉄筋に沿った直線的なひび割れがないか、定期的に目視でチェックしましょう。


DIY補修(軽微な場合のみ):駐車場などの表面の浅いひび割れを市販の補修材で埋め、水の侵入を防ぐ方法もあります。※構造に関わる部分は必ず業者に相談してください。



✅ 業者に相談・依頼すべきこと

精密診断:コンクリートを一部採取して、中にどれくらい塩分があるか測定します。

腐食が始まる目安は、全塩化物イオン量でおおむね1.2kg/m³が一般的な限界値といわれます(状況によるため、算定式やコンクリートの種類で異なる場合があります)。


表面保護工法:塩分が入る前に、特殊な塗料やシートで表面をコーティングする方法です。


断面修復工法:さびた部分を削り取り、防錆剤を塗ってから新しく埋め戻す工法です。


電気防食・脱塩:電気を流してさびを止めたり、塩分を外に追い出したりする特殊な工法もあります。

最近では「亜硝酸リチウム」という薬剤を注入して、壊れたバリアを再生させる高度な補修技術も普及しています。


✅ タイミングの目安

原則として10年に1回の定期点検が推奨されます。

厳しい環境(海沿い・積雪地など)では5年に1回が目安です。




まとめ:塩害は「見えないうち」の対策が肝心 🏠


塩害は、海の近くだけではなく、凍結防止剤や建設時の材料が原因で、どこでも起こり得る現象です。

見た目に変化がなくても、中で塩分が浸透している「潜伏期」があるため、10年に一度の定期点検がおすすめです。



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